文化祭の小ネタ
Twitterでの
私たちの夢せんく「あ゛?文化祭一緒にまわんだろ?はやく準備しやがれ」
現実「科学部の出しモンでロケット打ち上げたらめちゃくちゃ叱られたわ」
という呟きの責任を取りました。
現実側のお話なので苦手な方はごめんなさい…!
「そういえば科学部って文化祭なにするの?」
久々に訪れた科学室は文化祭の準備で大忙し。無理もない、あと数日で文化祭本番。忙しくしていないのなんて作品を作って展示するだけの部活だけだ。そして私も展示する作品を無事書き上げればそこで終わり、の書道部所属。
満足のいく作品にようやく出会えた私は浮き足だったまま科学室に彼氏に会いにきたわけだが、自分のことで精一杯で彼氏が文化祭になにをするかすら眼中になかったわけだ。
「簡易ロケットを打ち上げる!」
唆るぜこれは!とちょっぴり悪い顔。千空らしくて思わず笑うとククク、と千空も喉を鳴らす。なるほど、科学部のこのざわめきようは科学部部長さまのワガママのせいか。
「十三時に校庭で打ち上げっから見に来い」
「うん、絶対行くね。あっ、昼からってことは朝一緒にまわれるね!」
やったー!と喜びを素直に伝えると千空が「あ゛?」と短い返事。…待って、嫌な予感。
「あ゛ー…」
「せ、千空…?一緒にまわれる、よね…?」
「悪い、朝から準備あんだわ」
ほら、悪い予感は見事に的中!
思わず手元にあったハンカチを千空に投げつけるが、ハンカチなんかじゃ私の怒りは伝わらない!けれどあと手元にあるのは文鎮だけで、さすがに文鎮を投げるほどの怒りではない。
「し、信じられない!彼女との文化祭デートは?」
「わーるかったって!埋め合わせしてやっから!」
「千空のバカ!あんぽんたん!でもそんなところも好き!」
科学部員からの「またやってるよ」という視線に耐えながら「うぅ」と唸る。まさか私と回る想定すらしてなかったなんて!科学バカ!バカ!でもやっぱりそんな千空が好き!くぅ惚れた弱みってこういうことか!
「わかった、後夜祭は一緒に居てやっから」
「当たり前でしょ?!」
「………反省文書かされなかったらな」
小さくそう呟いた彼に「は?」と素直な声が上がる。反省文?なんで?文化祭の出し物でしょ?ま、まさか!
「無許可なの?!」
「許可なんか降りるわきゃねーだろ」
「なんで開き直ってんのよ!」
百億%書かされるに決まってるじゃない!と叫んで文鎮を手に取るが理性がぐ、と私を止めてくれた。あ、危なかった!
「ワンチャンあんだろ」
「…後夜祭、杠といるね…」
「おい諦めんな」
文化祭当日の後夜祭、大樹くんと消えてしまった杠の後ろ姿にお幸せに!と吐きつけて愉快な音楽とフォークダンスを惨めに眺める私がいた。
絶対絶対埋め合わせさせてやるんだから、と強く誓って頬張った綿菓子は少しだけしょっぱかった。
公開日:2020年8月7日